非上場株式の解決事例|遺産分割・遺留分・少数株主トラブルで適正評価と資金化を実現

非上場株式の解決事例(弁護士法人IGT法律事務所)

非上場株式の解決事例|遺産分割・遺留分・少数株主トラブルで適正評価と資金化を実現した実績紹介

公開日:2026年3月25日/最終更新日:2026年9月27日(事例一覧表を追加・よくあるご質問を6問に拡充)

非上場株式(自社株)が相続財産に含まれる場合、「いくらで評価するか」「誰が引き継ぐか」「売れるのか・現金化できるのか」が大きな争点になります。市場価格がなく、会社の財務内容や保有不動産、株主構成、定款の内容によって結論が大きく変わるため、一般的な相続よりも難易度が高くなりがちです。

弁護士法人IGT法律事務所では、非上場株式が絡む遺産分割、遺留分侵害額請求、少数株主の買取交渉、共有・持ち合い状態の解消、事業承継を見据えた遺言作成まで、複雑な案件を数多く取り扱ってきました。ここでは、当事務所が実際に手がけた非上場株式の解決事例をまとめてご紹介します。

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非上場株式の解決事例の一覧(争点と結果)

掲載している10件の内訳は、遺産分割4件、遺留分侵害額請求1件、少数株主の株式売却・買取3件、共有・持ち合いの解消1件、遺言作成1件です。いずれの事例でも、非上場株式を「いくらと評価するか」と「どう現金化・集約するか」が結果を左右しました。

No. 類型 主な争点 結果
① 遺産分割 黙示の持戻し免除の意思表示が認められるか(遺産総額11億円) 取得額が当初提案より1億円以上増加
② 遺産分割 収益不動産の収益性と非上場株式の評価方式 代償金5,300万円を獲得
③ 遺産分割 不動産管理会社の株価(保有不動産の評価が株価を左右) 交渉・調停を経て代償金4,000万円を獲得
④ 遺留分侵害額請求 不動産の時価と非上場株式の評価方法 遺留分4,700万円超を獲得
⑤ 少数株主の株式売却 会社側が提示した低額の買取価格 当初提示額の4倍にあたる約1億6,000万円で売却
⑥ 少数株主の株式売却 活用しにくい株式と山林の換価 株式と山林等を会社の社長に売却
⑦ 共有・持ち合いの解消 共有の収益不動産と相続人間で持ち合いになった株式 別訴を含む和解で相手方の持分・株式を引き取り一括解決
⑧ 少数株主(遺族) 元代表者と会社の訴訟の処理と株式の換金 会社が株式を買い取る形で解決
⑨ 遺産分割 工場(事業用不動産)と非上場株式が中心の遺産(2億9,000万円) 遺産分割調停が成立
⑩ 遺言作成(予防) 一次相続で生じた兄弟間の格差の是正(資産8億円) 税理士と連携して公正証書遺言を作成

※掲載の解決事例は、個別の事情を前提とした結果です。同様の結果をお約束するものではありません。

当事務所の非上場株式トラブル解決事例

① 遺産分割|持戻し免除の意思表示否定、遺産総額11億円の相続で取得額1億円以上増加

被相続人が経営する会社の非上場株式を特定の相続人に承継させる内容の遺言がある一方、他の財産の分け方が明記されていなかった事案です。非上場株式の価値が極めて大きかったため、「黙示の持戻し免除の意思表示」が認められるかが最大の争点となりましたが、当事務所が長男側で主張を尽くした結果、取得額が当初提案より1億円以上増加する形で解決しました。

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② 遺産分割|収益不動産・非上場株式の遺産分割で代償金5300万円を獲得

収益不動産と非上場株式という、いずれも評価が難しい資産を含む遺産分割事案です。不動産の収益性や、非上場株式の評価方式を丁寧に精査したうえで主張を組み立て、代償金5300万円という高額な解決を実現しました。

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③ 遺産分割|不動産管理会社の株式の遺産分割で、代償金4000万円を獲得

遺産の中心が「不動産管理会社の株式」だった事案です。保有不動産の評価がそのまま株価に大きく影響するため、不動産評価と株式評価を一体で検討し、交渉・調停を進めた結果、4000万円の代償金を獲得しました。

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④ 遺留分|不動産、非上場株式の評価額を争い、遺留分4700万円の獲得に成功

遺言により他の相続人へ財産が集中していたため、遺留分侵害額請求を行った事案です。不動産の評価を時価ベースへ引き上げ、非上場株式についても評価方法を整理した結果、4700万円超の遺留分を獲得しました。

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⑤ 非上場株式買取|少数株主を代理して株式を売却し、約1億6000万円を獲得

代襲相続で取得した同族会社の非上場株式について、会社側から低額な買取価格を提示されていた事案です。当事務所が代理人として介入し、財務資料の分析や法的手続を踏まえた交渉を行った結果、当初提示額の4倍にあたる約1億6000万円での売却に成功しました。

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⑥ 少数株主|相続した非上場株式・山林等を会社の社長に売却

相続により、活用しづらい非上場株式と山林等を取得した事案です。依頼者ご本人での交渉が難しい状況だったため、当事務所が代理人として売却交渉を進め、株式と不動産を換価する形で解決しました。

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⑦ 不動産・株式相続|共有となった不動産、持ち合いとなった非上場株式を集約

遺産分割の結果、収益不動産が共有となり、さらに非上場株式も相続人間で持ち合い状態になってしまった事案です。別訴を含めた全体設計の中で和解を組み立て、相手方の持分・株式を引き取る形で一括解決しました。

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⑧ 少数株主|会社との紛争中に元代表者が死亡、非上場株式を会社が買取

元代表者が会社との訴訟継続中に亡くなり、遺族がその対応を引き継ぐことになった事案です。当事務所は、訴訟の処理と並行して非上場株式の換金を交渉し、会社による買取という形でご遺族の負担を軽減しました。

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⑨ 遺産分割|遺産2億9000万円の富裕層の遺産分割を無事解決

事業用不動産(工場)と非上場会社の株式が遺産の大半を占めた複合案件です。工場跡地特有の問題も踏まえながら換価や事業整理まで視野に入れて進め、遺産分割調停を成立させました。

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⑩ 遺言書|資産8億円の二次相続、一次相続での兄弟間格差を是正する公正証書遺言の作成

一次相続で会社承継者に資産が偏ったため、二次相続で家族間の不均衡を是正したいというご相談でした。税理士と連携して分配案を設計し、公正証書遺言を作成することで、将来の非上場株式トラブルの予防につなげました。

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非上場株式の事件で当事務所が重視していること

株価評価と不動産評価を一体で検討できる

非上場株式の価値は、会社の財務内容だけでなく、保有不動産の評価、含み益、収益性、株主構成などによって大きく変わります。とくに不動産管理会社や資産管理会社では、不動産の見方を誤ると株価も大きくずれてしまいます。当事務所では、法務だけでなく税務・会計の視点も踏まえ、適正な評価の組み立てを行います。

相続と会社法の両方を踏まえた解決設計ができる

非上場株式の問題は、単なる相続問題では終わりません。遺産分割、遺留分、譲渡制限、会社との交渉、少数株主の立場、将来の経営権への影響など、会社法・企業法務の視点が必要になります。当事務所では、相続と企業法務の双方を見据えた現実的な出口設計をご提案します。

交渉・調停・価格決定・和解まで見据えた全体設計ができる

早期交渉で解決すべき案件もあれば、調停や裁判所手続を視野に入れて初動から資料を揃えるべき案件もあります。当事務所では、「どの段階で、どの争点を、どの資料で固めるか」を最初に整理し、費用対効果も踏まえた全体設計を行います。

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非上場株式の解決事例に関するよくあるご質問(FAQ)

Q1. 会社や他の相続人から提示された株価が適正かどうか分かりません。

A. 提示額が適正とは限りません。まず、その株価が何のための評価かを確認します。相続税申告用の評価(財産評価基本通達による類似業種比準方式・純資産価額方式・配当還元方式)は税金計算のためのもので、遺産分割・遺留分や株式の売買で問題になる時価とは一致しないのが通常です。そのうえで、決算書(3期分程度)・保有不動産・株主構成を確認し、必要に応じて公認会計士等と連携して検証します。会社が資料を出さない場合は、計算書類の閲覧(会社法442条3項。株式数の要件なし)や、議決権等の3%以上を持つ場合の会計帳簿の閲覧謄写(同法433条1項)を検討します。

Q2. 相続した非上場株式を持ち続けたくありません。売却できますか?

A. 売却できる可能性はあります。主な方法は、①会社・経営者・他の株主との交渉による売却、②第三者への譲渡について会社の承認を求め、承認しない場合は会社または指定買取人に買い取らせる請求(会社法136条・138条・140条)、③価格がまとまらない場合の裁判所への売買価格決定の申立て(同法144条)です。当事務所でも、相続した株式を売却・換価した事例があります(上の⑤⑥⑧)。

Q3. 遺産分割と遺留分では、非上場株式の見方は違いますか?

A. 違います。遺産分割では、誰が株式を取得し、代償金でどう調整するかが中心になり、評価は原則として分割時の時価で行います。遺留分では、株式そのものではなく侵害額に相当する金銭を請求し(民法1046条)、評価は相続開始時の時価で行います(民法1043条1項)。遺留分の請求には、相続の開始と遺留分を侵害する贈与・遺贈を知った時から1年という期間制限があります(民法1048条)。

Q4. 相談時にどのような資料を持参すればよいですか?

A. 次の資料があると、初回相談で見通しを立てやすくなります。①定款・株主名簿(写し可)、②直近3期分程度の決算書・税務申告書、③遺言書・戸籍など相続関係の資料、④会社や他の相続人からの提案書・株価算定書、⑤会社が保有する不動産の資料。すべて揃っていなくても構いません。

Q5. 会社から「相続人等に対する売渡しの請求」の通知が届きました。どうすればよいですか?

A. 定款に定めがある会社は、株主総会の特別決議を経て、相続を知った日から1年以内に、相続人に株式の売渡しを請求できます(会社法174条〜176条)。価格の協議がまとまらないときは、会社または相続人が、請求の日から20日以内に裁判所へ売買価格の決定を申し立てることができます(同法177条2項)。期間内に協議も申立てもないときは、売渡しの請求は効力を失います(同条5項)。期限が短いため、通知が届いたらすぐに、会社の提示価格が適正かを検討する必要があります。

Q6. 掲載されている事例と同じくらいの金額を獲得できますか?

A. 解決の結果は、会社の財務内容、株式の保有割合、相続人の構成、証拠の有無など個別の事情によって大きく異なるため、同様の結果をお約束することはできません。初回相談で資料を拝見し、見込める金額の幅と、費用倒れになるおそれの有無をご説明します。

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※ 本ページは、最終更新日(2026年9月27日)時点の法令・判例・実務に基づいて作成しています。掲載の解決事例は個別の事情を前提とした結果であり、同様の結果をお約束するものではありません。

【この記事の執筆者】

弁護士 小林洋介

執筆・監修:弁護士 小林 洋介(こばやし ようすけ)

弁護士法人IGT法律事務所 代表パートナー弁護士
慶應義塾大学法学部卒業/東京大学法科大学院修了
東京弁護士会所属(相続遺言部会)/認定経営革新等支援機関/2級FP技能士
相続・事業承継分野を中心に、遺産分割・遺留分侵害額請求・生前対策まで幅広く対応。
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