遺産分割|収益不動産・非上場株式の遺産分割で代償金5300万円を獲得

遺産分割の解決事例:相続税評価による提示を実勢価格で見直し、代償金5,300万円で調停成立

遺産分割|収益不動産・非上場株式の遺産分割で代償金5300万円を獲得

公開日:2025年10月20日/最終更新日:2026年9月28日(事例の要点表とよくあるご質問を追加)

この事例の要点

事件の種類 遺産分割(調停)
ご依頼者 子4名のうちのお一人
相手方 母
主な遺産 駅近の商業地にある収益不動産と、その不動産を保有する不動産管理会社の株式
主な争点 相続税評価額をもとにした代償金2,700万円の提示
当事務所の対応 不動産の実勢価格と株価の調査、遺産分割調停の申立て
結果 代償金5,300万円(当初提示の約2倍)で調停成立。支払は不動産を担保にした借入れを前提に調整

※個別の事情を前提とした結果です。同様の結果をお約束するものではありません。

 

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【解決事例】遺産分割における収益不動産・非上場株式の適正評価|当初提示の約2倍となる代償金5,300万円を獲得

本事例の結論と解決のポイント

  • 結論: 遺産に含まれる収益不動産と不動産管理会社の株式(非上場株式)を母親が単独取得し、他の相続人(ご依頼者様ら)に代償金を支払う事案において、当事務所が介入して遺産の評価額を適正な「時価(実勢価格)」で算定し直しました。その結果、遺産分割調停を経て、当初提示額(2,700万円)のおよそ2倍となる代償金5,300万円を獲得しました。

  • 解決のポイント: 相手方(母親)が提示した代償金は「相続税評価額」をベースに計算されたものでしたが、立地の良い商業地の不動産などは「相続税評価額」と実際の市場価値である「実勢価格(時価)」に大きなズレ(乖離)が生じます。当事務所が客観的な調査に基づき、法的に正しい「時価」での遺産分割を主張したことが大幅な増額の要因です。

ご相談時の状況とお客様の悩み

お父様が亡くなられ、お母様と、ご依頼者様を含むお子様4人が法定相続人となった事案です。 遺産には、駅近で立地の良い商業地の「収益不動産」と、その不動産を管理・保有する「非上場会社の株式」が含まれていました。 お母様から子供たちに対し、「自分が遺産をすべて取得する代わりに、代償金として(ご依頼者様の持ち分相当である)2,700万円を支払う」という提案がありました。 しかし、この金額は時価よりも安く算出される「相続税評価額」をベースにしたものであり、ご依頼者様は「遺産の評価が不当に低く見積もられているのではないか」と疑問を抱き、当事務所へご相談に来られました。

弁護士の対応・解決策

  • 実勢価格と株価の独自調査: 当事務所で不動産の実勢価格(時価)を独自に調査し、さらに不動産管理会社の非上場株式の株価を推計した結果、お母様からの提案金額はやはり著しく低いことが判明しました。

  • 遺産分割調停の申立て: 当初は任意交渉を行いましたが、評価額(価格)の折り合いがつかなかったため、速やかに家庭裁判所へ遺産分割調停を申し立てました。

  • 調停委員を交えた交渉と合意: 調停の場で、当方の調査結果を根拠に不動産および非上場株式の適正な評価を主張しました。最終的に調停委員の調整・説得もあり、相手方も当方の主張に近い価格に合意。結果として、5,300万円の代償金を確保することに成功しました。

IGTからのコメント

本件は、「不動産」と「非上場株式(不動産管理会社)」という、評価が最も難しく争いになりやすい2つの財産が絡む典型的な事案でした。 遺産分割における評価の原則はあくまで「時価(実勢価格)」です。相手方が相続税評価額に固執してしまうと交渉が平行線をたどるため、適切なタイミングで調停に移行し、裁判所(調停委員)を味方につける交渉術が求められます。 また本件では、遺産の現預金だけでは5,300万円もの代償金を一括で支払うことができなかったため、相手方が「遺産不動産を担保に銀行から資金調達をする(借入を起こして代償金を払う)」ための交渉・調整期間も考慮して合意を形成しました。単なる価格の争いにとどまらず、実現可能な支払いスキームまで見据えた解決ができた良い事例だと思います。

不動産・非上場株式の複雑な相続トラブル
相手の言い値で合意する前に、まずは適正評価を。

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収益不動産・非上場株式の代償分割に関するよくある質問

Q. 相手から提示された代償金が「相続税評価額」で計算されていました。これに応じる義務はありますか?

A. 応じる義務はありません。遺産分割協議で当事者全員が合意すれば相続税評価額で分けても違法ではありませんが、法律上の原則(調停や審判の基準)は「時価(実勢価格)」です。特に立地の良い不動産の場合、相続税評価額(路線価)は公示価格の約8割が目安で、実勢価格はさらに高いことが多く、そのまま合意すると大きく損をしてしまいます。

Q. 代償金が高額になり、相手が「一括では払えない」と言ってきた場合はどうなりますか?

A. いくら高額な代償金で合意できても、回収できなければ意味がありません。相手方に現預金が不足している場合、本事例のように「不動産を担保に金融機関から借り入れてもらう」、あるいは「分割払いの合意をし、不動産に抵当権を設定して保全する」「一部の不動産を売却して現金化する(換価分割に移行する)」といった現実的な支払いスキームを弁護士が提案・調整します。

Q. 非上場会社の株価評価で相手と揉めた場合、どう解決するのですか?

A. 非上場株式の評価には複数の計算手法(純資産価額方式、類似業種比準方式など)があり、誰の立場で評価するかによって金額が大きく変動します。当事者間で折り合いがつかない場合は、調停の中で双方から根拠となる評価額を出し合い調整するか、最終的には裁判所が選任する公認会計士等による「鑑定」を実施して価格を決定します。

Q. 遺産分割では、いつの時点の価格で評価するのですか?

A. 原則として遺産分割時の時価で評価します。特別受益や寄与分がある場合は、各相続人の取り分を相続開始時の価格で計算し、実際に分けるときは分割時の価格を使います。相続税評価額は相続税を計算するための評価で、遺産分割の時価とは別のものです。

Q. 調停で決まった代償金が支払われない場合はどうなりますか?

A. 遺産分割調停が成立すると、調停調書は確定した審判と同じ効力を持ち(家事事件手続法268条1項)、強制執行の手続をとることができます。分割払いにする場合は、遺産の不動産に抵当権を設定しておくなどの保全策を、あらかじめ調停条項に盛り込むことが重要です。

(※法律上の見解は一般的な事例に基づくものであり、具体的な状況により結論は異なります。詳しくは弁護士法人IGT法律事務所の初回無料相談をご利用ください。)

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【この記事の執筆者】

弁護士 小林洋介

執筆・監修:弁護士 小林 洋介(こばやし ようすけ)

弁護士法人IGT法律事務所 代表パートナー弁護士
慶應義塾大学法学部卒業/東京大学法科大学院修了
東京弁護士会所属(相続遺言部会)/認定経営革新等支援機関/2級FP技能士
相続・事業承継分野を中心に、遺産分割・遺留分侵害額請求・生前対策まで幅広く対応。
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