非上場株式買取|少数株主を代理して株式を売却し、約1億6000万円を獲得
公開日:2025年10月21日/最終更新日:2026年9月28日(事例の要点表とよくあるご質問を追加)
この事例の要点
| 事件の種類 | 少数株主の株式売却(相続した非上場株式) |
|---|---|
| ご依頼者 | 祖父母が創業した同族会社の株式を代襲相続で取得した方 |
| 相手方 | 会社の経営者(ご依頼者の叔母) |
| 主な争点 | 会社側が提示した低額の買取価格 |
| 当事務所の対応 | 会計帳簿・議事録の閲覧請求と、第三者への譲渡承認請求を背景にした価格交渉 |
| 結果 | 当初提示額の4倍にあたる約1億6,000万円で株式を売却 |
※個別の事情を前提とした結果です。同様の結果をお約束するものではありません。
■本事例の結論と解決のポイント
-
結論: 祖父母から代襲相続した非上場株式(同族会社)について、経営陣(叔母)から不当に低い買取価格を提示された事案です。当事務所の弁護士が代理人として介入し、「会計帳簿閲覧請求」や「譲渡承認請求」といった会社法上の権利を駆使して強力な交渉を行った結果、当初提示額の4倍にあたる約1億6,000万円での株式売却(換金)に成功しました。
-
解決のポイント: 譲渡制限が付いた非上場株式は、市場で売却できないため、支配株主(会社側)に足元を見られ「買い叩かれやすい」性質があります。単に「株価を上げてほしい」とお願いするのではなく、対象会社の財務状況を正確に把握し、法的手続きによって「会社側が適正価格で買い取らざるを得ない状況(プレッシャー)」を作り出した戦略的アプローチが勝因です。
■ご相談時の状況とお客様の悩み
ご依頼者様は、祖父母が創業した非上場会社の株式を代襲相続(お父様がすでに他界されていたため)により取得しました。 現在その会社は、ご依頼者様の叔母が社長を務めていました。叔母から「あなたの手元にある株式を買い取りたい」との申し出があり、買取価格の提示を受けました。 しかし、過去にご依頼者様が同社に勤務していた際、社長(叔母)との折り合いが悪く退職した経緯もあり、提示された金額に対して「あまりにも安すぎるのではないか」と強い不信感を抱きました。 ご依頼者様は、「叔母とは直接やり取りをしたくないので弁護士に間に入ってほしい」「適正な価格で買い取らせたい」とご希望され、当事務所へ相談にいらっしゃいました。
■弁護士の対応・解決策
-
会社法上の権利行使(情報開示の要求): 支配株主との相対交渉と並行して、株主の正当な権利である「会計帳簿閲覧請求」や「株主総会・取締役会議事録の閲覧請求」を実行しました。これにより会社の正確な財務状況を把握すると同時に、会社側に「適当なごまかしは通用しない」という強いプレッシャーを与えました。
-
譲渡承認請求をカードにした交渉: 非上場株式(譲渡制限株式)であっても、第三者の買主を見つけて会社に「株式の譲渡承認請求」を行うことができます。承認請求とあわせて買取請求をしておけば、仮に会社がこれを拒否した場合、会社または指定買取人が買い取らなければならず、価格が折り合わなければ裁判所が決めるという会社法のルールがあります。当事務所は第三者の買主候補を探索するなどの活動を通じ、このスキームを背景にした合理的な株価交渉の土台を構築しました。
-
結果: 会社側も適正な評価に応じざるを得なくなり、結果として当初提示額の4倍である約1億6,000万円という高額での買取が実現しました。
■IGTからのコメント
本件のような少数株主(非上場株式)の買取事案は、単なる感情論や価格の押し問答では平行線をたどるだけで、交渉が全く進まない非常に難易度の高い案件です。 成功の鍵は、「現在の交渉ポジションを客観的に把握すること」と「経営陣の痛いところを突く戦略的な手段の選択」にあります。 例えば「会計帳簿閲覧請求」一つをとっても、ただ請求すれば良いわけではなく、取得した財務データや役員・株主構成を分析し、そこからどのようなロジックで適正株価を算定し、相手を交渉のテーブルに引きずり出すかが弁護士の手腕の見せ所です。当事務所が長年培ってきた非上場株式に関する専門的知見が、ご依頼者様の大きな利益に直結した事案でした。
■【FAQ】非上場株式の買取・少数株主に関するよくある質問
Q. 相続した非上場株式について、社長から「この金額で買い取る」と言われました。そのまま応じるべきですか?
A. すぐに応じるのは危険です。多くの場合、会社側は自社に有利な(非常に低い)評価手法で計算した金額を提示してきます。まずは弁護士や公認会計士に相談し、直近の決算書等に基づいた客観的な企業価値(適正株価)を算定した上で、交渉に臨むことを強くお勧めします。
Q. 少数株主として、会社にプレッシャーをかける法的な手段はありますか?
A. 持ち株比率に応じて、様々な会社法上の権利を行使できます。代表的なものとして「会計帳簿閲覧謄写請求」「株主総会の招集請求」「取締役の違法行為の差止請求」「役員の責任追及の訴え(株主代表訴訟)」などがあります。これらを戦略的に組み合わせることで、強固な経営陣に対しても対等以上の交渉が可能になります。
Q. 会社が「株は買い取らない」と拒否してきた場合、現金化を諦めるしかないのでしょうか?
A. 諦める必要はありません。譲渡制限株式であっても、第三者の買主を見つけて会社に「譲渡承認請求」を行うことが可能です。承認請求の際に「承認しない場合は会社または指定買取人が買い取るよう請求する」旨をあわせて請求しておけば、会社が承認を拒否した場合は、会社自身または会社が指定した人物が「供託金を積んだ上で」買い取らなければならないと法律で定められています(価格で揉めた場合は裁判所が決定します)。
Q. 会計帳簿の閲覧を請求するには、何株持っていればよいですか?
A. 総株主の議決権の3%以上、または発行済株式の3%以上を持つ株主が請求できます(会社法433条1項)。計算書類(貸借対照表・損益計算書など)の閲覧は、株式数にかかわらず請求できます(同法442条3項)。会計帳簿の閲覧では請求の理由を明らかにする必要があり、会社は法律が定める拒絶事由がある場合に限って拒むことができます(同法433条2項)。
Q. 譲渡承認を請求した後、会社はいつまでに答える必要がありますか?
A. 会社が請求の日から2週間以内に承認するかどうかを通知しないときは、承認したものとみなされます(会社法145条1号)。承認しない場合、会社が自ら買い取るときは40日以内、指定買取人が買い取るときは10日以内に買い取る旨を通知しなければならず、通知がなければ承認したものとみなされます(同条2号)。価格の協議がまとまらないときは、買い取る旨の通知から20日以内に裁判所へ売買価格の決定を申し立てることができます(同法144条2項)。
Q. 代襲相続で取得した株式でも、株主として権利を行使できますか?
A. はい。代襲相続人は、先に亡くなった親に代わって相続人になります(民法887条2項)。遺産分割が終わるまで株式は相続人全員の準共有となり、権利を行使するには権利行使者を定めて会社に通知する必要があります(会社法106条)。遺産分割で株式を単独で取得すれば、単独で権利を行使できます。
(※法律上の見解は一般的な事例に基づくものであり、具体的な状況により結論は異なります。詳しくは弁護士法人IGT法律事務所の初回無料相談をご利用ください。)
関連ページのご案内
※ 本ページは、最終更新日(2026年9月28日)時点の法令・判例・実務に基づいて作成しています。解決の結果は個別の事情を前提としたもので、同様の結果をお約束するものではありません。
ご相談はこちらへ
【この記事の執筆者】
執筆・監修:弁護士 小林 洋介(こばやし ようすけ)
弁護士法人IGT法律事務所 代表パートナー弁護士
慶應義塾大学法学部卒業/東京大学法科大学院修了
東京弁護士会所属(相続遺言部会)/認定経営革新等支援機関/2級FP技能士
相続・事業承継分野を中心に、遺産分割・遺留分侵害額請求・生前対策まで幅広く対応。
▶ 弁護士小林洋介のプロフィール詳細 / ▶ 初回60分無料相談のご予約はこちら
事務所概要(本サイトの運営者)
| サイト名 | 弁護士法人IGT法律事務所の相続相談サイト |
|---|---|
| 事務所名 | 弁護士法人IGT法律事務所 |
| 住所 | 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-3-3新麹町ビル6階 |
| TEL | 03-6265-6770(予約専用) |
| FAX | 03-6265-4994 |
| URL | https://souzokusoudan-bengoshi.com/ |
| コーポレートサイト | 弁護士法人IGT法律事務所 公式サイト(企業法務・M&A・事業再生などのご相談も承ります) |



