遺産分割|当初提案の代償金額を2倍以上に引き上げ代償金1000万円獲得

遺産分割の解決事例:固定資産税評価額での代償金の提示を2倍以上の約1,000万円に

遺産分割|当初提案の代償金額を2倍以上に引き上げ代償金1000万円獲得

公開日:2026年3月17日/最終更新日:2026年9月28日(事例の要点表とよくあるご質問を追加)

この事例の要点

事件の種類 遺産分割(交渉)
ご依頼者 被相続人の前妻との子(幼少期から音信不通)
相手方 被相続人の後妻
相続人と法定相続分 後妻2分の1、ご依頼者2分の1
主な遺産 後妻が住む都内の自宅不動産
主な争点 固定資産税評価額並みの低い代償金の提示
当事務所の対応 実勢価格の不動産査定書で反論し、相手方が住み続けたい事情を踏まえて代償分割を交渉
結果 調停に至らず、当初提案の2倍以上となる約1,000万円の代償金で遺産分割協議が成立

※個別の事情を前提とした結果です。同様の結果をお約束するものではありません。

 

本事例の結論と解決のポイント

  • 結論: 幼少期に離別して長年音信不通だったお父様の相続において、相手方(後妻)から提示された「固定資産税評価額」ベースの不当に低い代償金に対し、当事務所が「実勢価格(時価)」での適正な不動産査定書を用いて交渉。調停等を行わず交渉のみで、当初提案の2倍以上となる約1,000万円の代償金を獲得し、早期解決を実現しました。

  • 解決のポイント: 「前妻の子」と「後妻」という感情的対立が起きやすい関係性において、弁護士が代理人として間に入り直接交渉を遮断したこと。そして、相手方が不動産に住み続けたい(競売・換価分割を避けたい)という事情を見抜き、実勢価格ベースでの代償分割を強く迫った「交渉ポジションの的確な分析」が、増額につながりました。

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ご相談時の状況とお客様の悩み

ご依頼者様のお父様は、ご依頼者様が幼少期に家を出て別の女性(後妻)と再婚し、以降10年以上一切の連絡がありませんでした。 その後、お父様が死亡したことは耳にしていましたが、それからしばらく経ったある日、突然見知らぬ司法書士事務所から「父と後妻が住んでいた不動産の相続手続き(名義変更)のため、あなたの実印と印鑑証明書を出してほしい」と連絡が来ました。 ご依頼者様は、「自分たちを捨てた父に対して正当な権利(償い)を主張したい」「言われるがままにハンコを押すのはおかしい」と不信感を抱き、当事務所へご相談に来られました。

弁護士の対応・解決策

  • 弁護士による通知と交渉開始: 法定相続人はご依頼者様(前妻の子)と後妻の2名でした。当事務所の弁護士がご依頼者様の代理人として後妻側に通知を送り、直接の連絡をストップさせた上で、遺産の「代償分割(後妻が不動産を取得する代わりに、ご依頼者様に現金を支払う方法)」の交渉を開始しました。

  • 不当な提案の拒否と実勢価格の立証: 当初、後妻側から提案された代償金は「固定資産税評価額」と同等レベルの極めて低い金額でした。本件の不動産は都内の好立地であり、実勢価格(市場で売却できる時価)はその2倍以上になることが想定されました。そこで当事務所は、実勢価格をベースにした客観的な「不動産査定書」を用意し、これを根拠に粘り強く交渉を行いました。

  • 結果: 後妻側も当方の主張を認めざるを得ず、調停に発展することなく、当初提案額の2倍以上となる「約1,000万円の代償金」を支払ってもらう内容で遺産分割協議が成立しました。

IGTからのコメント

本件は、「前妻の子と後妻」という非常に難しい関係性の事案であり、遺産分割における最大の論点は「不動産の評価額」でした。 このような「不動産の評価額を巡る争い」は、当事務所が力を入れて取り扱っている事件類型の一つです。 今回の遺産不動産は状態の良い好立地物件だったため、仮に代償分割の交渉が決裂しても、「換価分割(審判で不動産の売却を命じてもらい、代金を分けること。競売によることもあります)」に踏み切れば、十分に高額な回収が見込めるという「強気の交渉ポジション」にありました。 相手方(後妻)は高齢でその家に住み続けたいわけですから、競売は絶対に避けたいはずです。この力関係を正確に分析し、毅然と実勢価格を主張したことで、ご満足いただける金額での早期解決につながりました。

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前妻の子・後妻間の相続や不動産評価に関するよくある質問

Q. 疎遠だった親の相続で、突然「印鑑証明書と実印をください」と言われました。どうすべきですか?

A. 言われるがままに書類へ署名・押印しないでください。遺産分割協議書や相続分の譲渡・放棄の書面に押印すると、相手の提示どおりの内容に同意したことになります。まずは遺産の全体像と不動産の時価を確認したうえで、応じるかどうかを決めることが重要です。

Q. 前妻の子にも、後妻と同じように相続権がありますか?

A. あります。前妻との子も被相続人の子として相続人になり、本件のように相続人が配偶者(後妻)と子1名であれば、法定相続分は各2分の1です(民法900条1号)。父母の離婚や長年の音信不通によって、相続権がなくなることはありません。

Q. 後妻が不動産に住み続けている場合、自分の取り分を請求できますか?

A. できます。相手方が住み続けることを希望する場合は、不動産を取得する代わりに、あなたの取り分に相当する代償金を支払ってもらう代償分割を求めるのが一般的です。代償金の額は不動産の評価で決まるため、時価で評価することが重要です。

Q. 固定資産税評価額と実勢価格(時価)は、そんなに違うのですか?

A. 違います。固定資産税評価額は公示価格の約7割が目安とされ、都内の好立地では実勢価格との差がさらに大きくなることがあります。本件も、固定資産税評価額並みの提示に対し、実勢価格の査定書で反論して代償金を2倍以上に引き上げました。

(※法律上の見解は一般的な事例に基づくものであり、具体的な状況により結論は異なります。)

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※ 本ページは、最終更新日(2026年9月28日)時点の法令・判例・実務に基づいて作成しています。解決の結果は個別の事情を前提としたもので、同様の結果をお約束するものではありません。

【この記事の執筆者】

弁護士 小林洋介

執筆・監修:弁護士 小林 洋介(こばやし ようすけ)

弁護士法人IGT法律事務所 代表パートナー弁護士
慶應義塾大学法学部卒業/東京大学法科大学院修了
東京弁護士会所属(相続遺言部会)/認定経営革新等支援機関/2級FP技能士
相続・事業承継分野を中心に、遺産分割・遺留分侵害額請求・生前対策まで幅広く対応。
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