遺留分|不動産評価額を交渉して、遺留分侵害額の支払を400万円減額
執筆者:弁護士小林洋介
弁護士法人IGT法律事務所 代表パートナー弁護士
保有資格:弁護士、経営革新等支援機関、2級FP技能士
東京弁護士会相続遺言部所属
事案のサマリー
- ご相談者: 遺産(実家の不動産)を相続した方(遺留分を請求された側)
- 相手方: 法定相続人である兄(代理人弁護士あり)
- 主な遺産: 被相続人と同居していた実家の不動産
- 主な争点: 1. 不動産の適正な評価額(セットバックによる減価要因の有無) 2. 相手方が受けていた生前贈与(特別受益)の有無
- 結果: 調停・訴訟に至らず、相手方の当初請求額から約400万円の減額で交渉妥結
依頼前の状況とご相談内容
ご相談者様のお母様(被相続人)が遺言を遺されており、ご相談者様と同居していた不動産を相続させるという内容でした。 しかし、法定相続人であるお兄様から遺留分侵害額請求を受け、当事務所へご相談に来られました。いわゆる「遺留分侵害額を請求された側(被告側)」の事件です。 できるだけ相手方に対する支払いを適正な範囲に抑えたい(減らしたい)というご依頼でした。
弁護士の対応と解決へのアプローチ
相手方にはすでに代理人弁護士が就いており、一般的な不動産査定書をベースに高い評価額で請求をしてきていました。当事務所は以下の2点を軸に反論と交渉を行いました。
争点1:セットバック(私道負担)による不動産評価額の減価要因の主張
被相続人の遺産の大半は、ご相談者様と同居していた不動産でした。立地が良く資産価値が見込める一方、建築基準法上の「セットバック」を余儀なくされ、将来建替え等を行う際に有効面積が登記簿上の面積より狭くなるという問題がありました。
相手方はこの減価要因に気づいておらず、評価額の認識に大きな乖離があったため、当事務所から対象不動産の特殊な事情を丁寧に説明し、理解を求めました。
争点2:相手方への生前贈与(特別受益)の主張
被相続人から相手方(お兄様)に対して、特別受益となる生前贈与が存在する可能性が高い案件でした。そのため、遺留分算定の基礎となる財産からこの特別受益分を考慮するよう併せて主張しました。
解決の結果(約400万円の減額で妥結)
相手方の代理人弁護士と早期にコミュニケーションを取り、対象不動産の減価要因と特別受益について客観的な事実をもとに粘り強く交渉しました。 その結果、法的手続き(調停や訴訟)に移行することなく、当初相手方が主張していた請求額から400万円ほど減額して早期に交渉妥結することができました。
当事務所からのコメント(早期解決に至ったポイント)
遺産の評価額の大半を不動産が占めるケースでは、不動産の「適正な評価」が交渉の鍵を握ります。
本件は、一般的な机上査定では見落とされがちな「セットバックによる有効面積の減少」という不動産特有の事情を早期に把握し、論理的に主張できたことが成功の要因です。 不動産や非上場株式など、評価が分かれやすい財産が含まれる相続においては、それらの算定に精通した弁護士が介入することで、不当な過大請求を防ぐことが可能です。
不動産・非上場株式の複雑な相続トラブル
相手の言い値で合意する前に、まずは適正評価を。
「提示された代償金が安すぎる」「会社が株を買い叩こうとしている」「面識のない親族から突然通知が来た」など、不公平な権利関係でお悩みの方は、決して一人で抱え込まず専門家にご相談ください。
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【解説】遺留分請求において不動産の「評価額」が争点になる理由
遺留分侵害額請求における不動産の評価額とは、原則として「相続開始時(被相続人が亡くなった時)の客観的交換価値(時価)」を基準とします。
しかし、不動産には定価が存在しません。固定資産税評価額や路線価、不動産業者の査定額など複数の基準があり、さらに本件のような「セットバック(私道負担)」「不整形地」「借地権」といった個別事情によって価値は大きく変動します。
請求する側は「できるだけ高い評価額」を、請求される側は「できるだけ低い評価額」を主張するため、実態に即した適正な評価を法的根拠をもって提示できるかが、遺留分交渉において極めて重要となります。
FAQ(よくある質問)
Q1. 遺留分を請求されましたが、相手が提示してきた不動産の査定額が高すぎると感じます。どう反論すべきですか?
A. 相手方が提示する一般的な不動産査定書は、セットバックや土地の形状(不整形地)などの個別の「減価要因」が反映されていないケースが多々あります。そのまま受け入れるのではなく、実態に即した適正な時価(客観的交換価値)を算定し直し、客観的な資料と法的根拠をもって再評価を主張することが重要です。
Q2. 相手方(請求者)が過去に親から多額の資金援助を受けていた場合、支払う遺留分を減らせますか?
A. はい、減額できる可能性があります。生前贈与などが「特別受益」と認められる場合、遺留分の算定基礎となる財産に持ち戻して計算されるため、結果として相手方の遺留分額が減少し、ご自身の支払い負担を抑えられる余地があります。
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