遺言書|お子さまのいない方の遺言書

遺言書|お子さまのいない方の遺言書

執筆者:弁護士小林洋介
弁護士法人IGT法律事務所 代表パートナー弁護士
保有資格:弁護士、経営革新等支援機関、2級FP技能士
東京弁護士会相続遺言部所属

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■本事例の結論と解決のポイント

  • 結論: すでに旦那様を亡くされ、お子さまがいらっしゃらないご相談者様から、「将来の自分の相続で、疎遠な親族間でのトラブルを避けたい」「日頃から面倒を見てくれる甥に遺産を託したい」というご依頼を受けました。当事務所にて「甥に全財産を遺す」旨の公正証書遺言を作成し、弁護士が遺言執行者に就任することで、ご相談者様の希望を確実に実現する生前対策を完了しました。

  • 解決のポイント: お子さまがいない方が亡くなった場合、兄弟姉妹(すでに死亡している場合は甥姪)が相続人となります。しかし、法律上「兄弟姉妹には遺留分(最低限の取り分)がない」という強力な特徴があります。つまり、有効な遺言書さえ作成しておけば、他の疎遠な親族と「遺産分割協議」を一切行うことなく、希望する相手にすべての財産を承継させることが可能です。

■ご相談時の状況とお客様の悩み

ご相談者様はご主人を亡くされた後、お一人で暮らしておられました。お子さまがいらっしゃらないため、法律上の推定相続人は、ご自身のご兄弟姉妹(およびその代襲相続人である甥・姪)となり、その数は10人近くに上っていました。 その中には、長年面識がない遠縁の方や、過去に因縁があり疎遠になっている方も含まれていました。 ご相談者様は以前、ご主人の相続手続きの際にご主人の親族とのやり取りで非常に苦労された経験がありました。そのため、「自分の死後、よく面倒を見てくれている甥が、同じように疎遠な親族たちとの遺産分割手続きで苦労するのではないか」と強く懸念され、当事務所へご相談にいらっしゃいました。

■弁護士の対応・解決策

  • 公正証書遺言の作成と遺言執行者の選任: ご相談者様のご意向に沿い、「お世話になっている甥へ遺産を承継させる」という内容で、最も確実な「公正証書遺言」を作成しました。さらに、弁護士を「遺言執行者」として指定することで、ご相談者様の死後、他の相続人の関与を一切受けることなく、弁護士と甥のやり取りだけでスムーズに財産の移転手続きが完了する仕組みを構築しました。

  • 「付言事項」の活用: 遺言書の法的効力とは別に、ご相談者様の「想い」を伝える付言事項(ふげんじこう)を記載しました。「甥およびその家族が、日頃から気遣ってくれ、夫の葬儀手配など大変お世話になったことへの深い感謝」を明記することで、遺産をもらえなかった他の親族が感情的に反発するのを防ぐ配慮を行いました。

■担当弁護士(小林 洋介)からのコメント

当事務所では、「お子さまがいらっしゃらない方(おひとりさま、または子供のいないご夫婦)」にとって、遺言書の作成は「選択肢」ではなく「必須」の対策であると考えています。 直系卑属(子どもや孫)がいない場合、どうしても被相続人との関係性が薄い遠縁の親族が相続人になりやすく、人数も増えるため、遺産分割協議は高確率で難航します。 しかし、兄弟姉妹には遺留分が存在しません。生前に遺言書をしっかり作成し、遺産の行き先を明確にして「遺産分割協議自体を行わせない」ことこそが、残された大切な人を守る最大の防御策となります。長年の懸念が払拭され、大変安心されていたご相談者様のお顔が印象的な事案でした。

■【FAQ】お子さまのいないご夫婦・おひとりさまの相続に関するよくある質問

Q. 子供がいません。私が亡くなった後、財産は誰のものになりますか?

A. 配偶者がいる場合は、配偶者と「あなたの親(または祖父母)」が相続します。親がすでに他界している場合は、配偶者と「あなたの兄弟姉妹」が相続します。配偶者もいない(おひとりさま)の場合は、親、もしくは兄弟姉妹(兄弟姉妹が死亡している場合はその子供である甥姪)がすべての財産を相続することになります。

Q. 疎遠な兄弟姉妹には1円も財産を渡したくないのですが、可能ですか?

A. 可能です。法律上、配偶者や子供、親には「遺留分(最低限の取り分)」が保障されていますが、兄弟姉妹にはこの遺留分がありません。したがって、「全財産を○○(配偶者、特定の甥姪、慈善団体など)に遺贈する」という遺言書を作成しておけば、他の兄弟姉妹に財産を渡さずに済みます。

Q. 遺言書を書いた後、自分が死んだ後の実際の手続きは誰がやってくれるのですか?

A. 遺言書の中で「遺言執行者(いごんしっこうしゃ)」を指定しておくことが極めて重要です。本事例のように弁護士等の専門家を遺言執行者に指定しておけば、亡くなられた後、弁護士が銀行の解約や不動産の名義変更などの複雑な手続きをすべて単独で代行するため、財産をもらう方(甥など)の負担が大幅に軽減されます。

(※法律上の見解は一般的な事例に基づくものであり、具体的な状況により結論は異なります。)

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