数次相続で共有者が数十人に!? ネズミ算式に増えた共有不動産の分割と相続手続
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弁護士法人IGT法律事務所 代表パートナー弁護士 保有資格:弁護士、経営革新等支援機関、2級FP技能士 東京弁護士会相続遺言部所属 |
はじめに:放置された共有不動産が引き起こす「数次相続の悪夢」
親が亡くなり、実家の土地と建物を相続しようと法務局で登記簿謄本(登記事項証明書)を取得したところ、「祖父や曽祖父の代の古い名義のままになっており、見知らぬ親戚数十人が共有者になっていた」というご相談が当事務所に多く寄せられます。
このように、遺産分割や共有物分割の手続きを終わらせないまま、共有者の一人が死亡して次の相続が発生することを「数次相続(すうじそうぞく)」と呼びます。数次相続が何世代にもわたって繰り返されると、共有者の数は「ネズミ算式」に膨れ上がり、雪だるま式にトラブルが巨大化していきます。
「会ったこともない親戚ばかりで、誰がどこに住んでいるのか全く分からない」 「老朽化した空き家を売却・解体したいのに、共有者全員の同意など到底集められない」
本記事では、数次相続によって数十人の共有状態となってしまった不動産を、適法かつスムーズに分割・売却するための最新の法的手続きと解決策について、弁護士法人IGT法律事務所が解説します。
【弁護士監修】共有物分割請求でお悩みの方へ
「他の共有者が売却に反対している」「連絡を無視されている」「評価額で揉めている」など、ご自身の状況に合わせた解決策をお探しですか?
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結論:数次相続の解決は「戸籍の徹底調査」と「最新の法制度(令和5年改正民法)」の活用が鍵
【結論】 数十人に膨れ上がった共有不動産であっても、法的に分割・売却することは可能です。 解決のためには、まず弁護士の職権による「戸籍の徹底調査」で現在の真の共有者を全員特定し、その上で令和5年(2023年)に施行された民法改正による「所在等不明共有者に対する新たな制度」や「不在者財産管理人」を駆使して、同意の取れない相手を法的に切り離していく手続きを行います。
【理由】 民法の原則として、共有不動産全体を売却したり、建て替えたりするような「変更行為」には、共有者全員の同意(実印と印鑑証明書)が絶対に必要です。一人でも行方不明者がいたり、反対する者がいれば、不動産は完全に「塩漬け」になってしまいます。 これまでは、数十人の共有者の中から行方不明者を探し出すのは絶望的な作業でした。しかし、所有者不明土地問題の解消を目的とした近年の法改正により、「裁判所の許可を得れば、行方不明の共有者の持分を買い取ったり、不動産全体を売却したりできる」という画期的なルールが新設されたため、かつては解決不能と思われていた事案でも解決の道が開かれています。
なぜ共有者は「ネズミ算式」に増えるのか?(メカニズム)
数次相続によって共有者が爆発的に増えるメカニズムを、具体例で分かりやすく解説します。
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第1世代:祖父が死亡。土地は「父」と「叔父」の2人で1/2ずつ共有したまま放置された。
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第2世代:父が死亡し、あなたと兄弟3人が父の持分を相続(あなたの持分は1/6に)。一方、叔父も死亡し、叔父の子供5人が持分を相続。この時点で共有者は合計8人に。
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第3世代:叔父の子供(従兄弟)の一人が若くして亡くなり、その配偶者と子供3人が相続…。さらに別の従兄弟も亡くなり…。
このように、遺産分割協議を行わずに共有状態を放置して世代が下るたびに、相続人の数は枝分かれして増殖していきます。 3世代、4世代と放置された結果、**「持分が128分の1」「全く面識のない遠い親戚が全国に散らばっている」「中には認知症の方や、海外に移住した方がいる」**という、個人では到底手出しできない複雑怪奇な権利関係が出来上がってしまうのです。
膨れ上がった共有不動産を分割・売却する「3つのステップ」
このような複雑な数次相続案件であっても、弁護士は以下の法的なステップを粛々と踏むことで、確実に解決へと導きます。
ステップ1:弁護士の「職権」による戸籍収集と相続人の確定
最初の関門は、「現在の共有者(相続人)が誰なのか、そしてどこに住んでいるのか」を100%正確に把握することです。 これを一般の方が役所を回って行うのは、膨大な時間と手間がかかり現実的ではありません。弁護士にご依頼いただければ、弁護士法に基づく「職権照会(職務上請求)」という権限を使い、全国の役所から戸籍謄本、除籍謄本、住民票、戸籍の附票などを迅速に取り寄せ、数十人規模の巨大な「相続関係説明図(家系図)」を作成し、対象者を全員特定します。
ステップ2:手紙(通知)の送付と、話し合い(協議)の打診
相続人が確定したら、全員に対して弁護士名義で手紙(通知書)を送ります。 「現在、対象の不動産がこのような共有状態になっており、売却(または代償分割)による清算を提案したい」という旨を、誠実かつ論理的に説明します。 「弁護士からの通知」であるため、警戒して無視していた親戚も「そういうことならハンコを押す(協力する)」とスムーズに合意(持分の譲渡や遺産分割協議の成立)に至るケースが多々あります。
ステップ3:「所在不明者」や「反対者」に対する法的手続きの実行
手紙を送っても連絡が取れない(所在等不明)、あるいはどうしても反対する共有者が残った場合は、以下の法的手続き(裁判所の手続き)へ移行します。
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所在等不明共有者の持分取得・譲渡制度(新法)の活用: 令和5年施行の新制度です。裁判所の許可を得ることで、行方不明となっている共有者の持分を「時価相当額(供託金)」であなたが買い取って単独名義にしたり、行方不明者の持分を含めた不動産全体を第三者に売却したりすることが可能になりました。
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不在者財産管理人の選任: 新制度が使えない場合などは、家庭裁判所に「不在者財産管理人(行方不明者の代わりに財産を管理・処分する権限を持つ人)」を選任してもらい、その管理人を交えて共有物分割や遺産分割の協議を行います。
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共有物分割請求訴訟の提起: 居場所は分かっているが、理不尽な理由で猛反対している共有者がいる場合は、話し合いを打ち切り、裁判所に「共有物分割請求訴訟」を起こして、判決によって強制的に清算を図ります。
数次相続と共有不動産に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 全く面識のない親戚(弁護士)から突然「共有物分割(遺産分割)に協力してほしい」と手紙が来ました。無視してもいいですか?
A. 無視は推奨しません。法的手続き(裁判)に巻き込まれるリスクがあります。 無視を続けると、相手方は「協議不能」として共有物分割請求訴訟などの裁判手続きに踏み切ります。裁判所からの呼出状すらも無視すると、相手の主張が全面的に認められ、あなたの持分が強制的に売却されたり、競売にかけられたりする恐れがあります。内容を確認し、不安であればご自身でも弁護士に相談して適切に対応すべきです。
Q2. 共有者が20人以上います。戸籍を集めるだけで何年もかかりそうですが、引き受けてもらえますか?
A. はい、問題なくお引き受けいたします。 当事務所では、数十人規模の複雑な数次相続・共有物分割案件の解決実績が多数ございます。弁護士が職権で迅速に戸籍を収集し、難解な権利関係を紐解きます。一般の方が途方で諦めてしまうような規模の案件こそ、専門家の腕の見せ所です。
Q3. 共有者の中に「認知症」で施設に入っている高齢の親戚がいます。同意はどうやって取ればいいですか?
A. 「成年後見人」を選任する手続きが必要になります。 重度の認知症等で意思能力がない方は、法的に有効な合意(ハンコを押すこと)ができません。家庭裁判所に申し立てて「成年後見人(財産を管理する代理人)」を選任してもらい、その成年後見人と共有物分割の交渉を行うことになります。この申し立て手続きも弁護士がサポート可能です。
Q4. 共有物分割の手続きにかかる弁護士費用や測量費用は、代表して動いている私が全額負担しなければならないのでしょうか?
A. 原則として依頼者の負担となりますが、最終的な「手残り(代償金)」から精算するよう交渉可能です。 手続きを主導するあなたが一旦費用を立て替える形になりますが、不動産を売却(換価分割)する場合は、その売却代金からかかった費用(測量費や解体費等)を差し引いた上で、残りの現金を各共有者に分配するよう取り決めるのが一般的です。
先祖からの「負動産」を次の世代へ押し付けないために
数次相続によって複雑化した共有不動産の問題は、「時間が経てば経つほど、雪だるま式に解決が困難になる」という恐ろしい性質を持っています。 もし、今の世代であるあなたが「面倒だから」と放置すれば、数十年後、あなたの子供や孫の世代には共有者が100人を超え、完全に手がつけられない「負動産」として重くのしかかることになります。
令和5年の法改正により、長年放置されてきた「所有者不明の共有不動産」を解決するための強力な法的ツールが整備されました。今が、長年の呪縛から解放される最大のチャンスです。
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執筆者:弁護士小林洋介

