【遺留分】不動産評価にこだわり、遺留分1800万円を取得した事例
執筆者:弁護士小林洋介
弁護士法人IGT法律事務所 代表パートナー弁護士 保有資格:弁護士、経営革新等支援機関、2級FP技能士
依頼前の状況
被相続人が母、法定相続人が相談者様(長男)、妹、妹の子ども(孫養子)の3人で、被相続人が遺言書を遺し、妹と養子の孫に遺産を相続させることになっていました。したがって、相談者様の遺留分割合は、1/6となっていました。
遺産には、預貯金その他の流動資産はほとんどなく、遺産土地のうえに、妹家族の居住用と賃貸部分が併用された集合住宅がありました。
また、遺言書作成時点間際に養子縁組をするなど、相談者の権利を制約する方策がうかがわれる事案でしたが、相談者様は、養子縁組の無効主張までは希望しないが、法的に正当な遺留分侵害額請求権を行使したいと強く希望されていました。
対応と結果
遺産不動産の評価額が大きな論点でしたので、当事務所にて不動産の実勢価格を調査し、数種類の不動産査定書を取得して、相手方と交渉を行いました。
交渉段階では価格の差異が埋まらずに、調停申立てを行いましたが、その間相手方も代理人弁護士が交代するなどして、対立が深まっていきました。
また、相談者様も法的に正当な手続を踏んで欲しいという強いご要望もあり、調停も不成立となり、訴訟に移行しました。
不動産価格については、交渉で価格が折り合える状況ではなかったことから、裁判所の不動産鑑定(裁判所が選任する不動産鑑定士による鑑定手続)まで行って、正当な価格を追求しました。
その結果、不動産鑑定価格をベースに、遺留分侵害額を合意し、相手方の資金調達の段取り調整も行ったうえで、遺留分侵害額として金1800万円を獲得しました。
当事務所からのコメント
遺産分割や遺留分事件で、不動産価格が争いになることは多いです。その場合、査定書や簡易鑑定書などを出し合って交渉しますが、どちらが正しいということを議論しても仕方がないことがあります。その場合は、裁判所が選任する不動産鑑定士による不動産鑑定によらざるをえないことになります。
本件では、遺留分対策と思われる養子縁組があるなどしたため、当事者間の感情的な対立が大きく、法的に正当な手続を経て決着するという点にウェイトが大きく、当事者間の納得感を得るためにも不動産鑑定がよく機能した事案と理解しています。手続的にやれるところまでやったという点で相談者様にもご満足いただけた事件でした。
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