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【遺産分割】相続人が出捐した被相続人名義の預金を遺産に含めないで解決した遺産分割
執筆者:弁護士小林洋介
(弁護士法人IGT法律事務所 代表パートナー弁護士)
保有資格:弁護士、経営革新等支援機関、2級FP技能士
依頼前の状況
依頼者様は、被相続人の夫であり、ご夫妻にはお子様がいらっしゃらなかったので、法定相続人としては、ご相談者様と被相続人のお母様でした。
被相続人のお母様は90代と高齢のため、認知症が進んでいるようでしたが、被相続人の弟が、お母様及び他の兄弟から全権委任を受けているとして、依頼者様との交渉を行っていました。
被相続人の名義の預金口座には、依頼者様がペイオフ対応などで、ご自身の預金を預けていましたが、被相続人の弟は、これは姉の遺産だと譲らず、非弁行為が疑われる事案になっていました。
そこで、依頼者様は、被相続人の弟が交渉相手になるのはおかしいと考え、弁護士を入れてものごとを解決することを希望されました。
また、被相続人の名義の預金口座の入出金を分析し、これは名義預金であり、遺産ではないと主張したいということから、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
対応と結果
当職のほうから、被相続人のお母様あてに遺産分割交渉を進めたい旨の手紙を送付したところ、被相続人の弟から電話連絡がありました。
しかし、当事務所からはあなたとは交渉しない、お母様が認知症だというなら成年後見の申し立てをすべきだと毅然と対応し、交渉に応じませんでした。
その後、当該弟が成年後見を申し立てたところ、身上監護につき弟、それ以外につき弁護士が成年後見人となる後見開始決定が出され、以後成年後見人の弁護士と遺産分割調停を行うことになりました。
名義預金については、当方から被相続人の収入で作り上げた資産ではないこと、依頼者様の出金口座と対比して、依頼者様の預金であり、被相続人の預金ではないことを丁寧に説明し、遺産分割の対象から名義預金を外すことに成功しました。
また、遺産不動産(共有持分)については、価格評価が折り合わず、不動産鑑定によって価格を決定し、鑑定価格をベースに代償金を定め、依頼者様に名義移転することに成功しました。
当事務所からのコメント
遺産分割でよく問題となる使途不明金の事案に似ていますが、本件では、ご自身のお金を被相続人名義の預金口座に入金していたという特殊な事案でした。
預金の権利者は、実際にお金を出した人(出捐者)と解されますが、実務上他人の名義の預金口座に入っているお金が自分のものであると主張立証するのは困難です。
本件では、被相続人の預金の入出金履歴の分析、被相続人の日常の生活状況、被相続人は急病で急逝されたのですが、その間の療養生活の状況などを丁寧に分析し、立証したことで、裁判所や相手方成年後見人などに理解を得られた事例でした。
また、遺産分割事案では、正当な権利者ではない親族が交渉に不当に介入し、適正な遺産分割協議が阻害されることがあります。
当事務所ではこのような事案でも毅然として対応し、誠実に、丁寧に主張立証することで、遺産分割事件を解決してまいります。
同じような事案がございましたら、ぜひ当事務所にご相談ください。
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